【不協和音?】「B/G7」というコード、どう聞こえますか?
お疲れ様です! いきくんです。
今回も理論的な説明は最低限に、サクッとお話ししてみようかな、と。
このコード、どう聞こえる?
はい、どうでしょう?
不協和音に聞こえた方も、そうでない方もいると思います。
このようなコードが鳴っていました。
B/G7
Bメジャートライアドが、G7の上で鳴っている状態です。
ポリコードの一種にも見えますが、ドミナントセブンスに対して「Maj7」の音が乗っているという、原型の分からないコードとなっています。
縦の響きだけで考えた場合、ドミナントセブンスのはたらきが阻害されている上に、
「F」と「F#」が♭9音程を形成しているので、不協和に聞こえるという人もいると思います。
横の流れで聞いてみよう
ところが、このように横に流れて聞いてみるとどうでしょう?
★Dm7→B/G7→Cmaj7
スムーズに聞こえませんか?
もちろん、人によってはこれでも受け入れられない場合もあると思います。
フレーズを乗っけてみると、さらに緩和されるかな?
「ファ#」という長7度の音さえ鳴っていなければ、「G7#5(あるいは♭13)」がトニックへ解決する動きなのですが、
B/G7
この「ファ#」が謎ですね。
結論から言うとこれは、解決先である「Cmaj7」に対して、分数コードの分母と分子がそれぞれ別の方法でアプローチしている状態です。
・分母は普通のドミナントセブンスからの解決の動き(G7→C)
・分子は半音下からアプローチする動き(B→C)
縦の響きだけで見たとき、「B」と「G7」はぶつかってしまうコード同士ですが、
横の流れで考えたとき、この場合は大雑把に分けると同じ目的を持ったコード同士、ということになります。
よって、この「B/G7」というコード自体は不協和音に聞こえるかも知れませんが、大きな流れで捉えるとちゃんとした意図が聞こえてくるのです。
このような手法は、むしろちょっとしたスパイスとして有効だったりします。
ちなみに「B」は「B7」と考えると、「Cmaj7」の代理コードでありアッパーストラクチャーの「Em7」に対するドミナントとしてのはたらきも持っていますね。
これを利用したリハーモナイズもジャズでは定番だったりします。
まとめ
もちろん、このコード進行がスムーズに聞こえる理由は、他にもいろいろな説明の仕方が可能です。
コードありき、コードスケールありきで全てを考えていると、このようなコードが出てきたときに「意味わからん!」となってしまいますが、
横の流れとしての各小節や拍が持っている文脈に耳を向けられるようになると、新しい世界が見えてくるかもしれません。