七夕様で学ぶリハーモナイズ【第五回】ドミナントセブンスあれこれ
こんにちは。いきくんです。
「七夕様」を題材にしてリハモを練習するシリーズの第五回です。
第四回はこちら↓
七夕様で学ぶリハーモナイズ【第四回】同じところを目指す色んなコード進行 - いきいき音楽科
♯9thを使ってみよう
前回までに様々なリハモの選択肢や練習方法を紹介してきましたが、結果的に僕が採用したのはこんな流れです。
11、12小節目は、2段目と同じ流れですが最後を「Bm7♭5-B♭m6」ではなく、ツーファイブの形で「Bm7♭5-E7♭9」としています。
同じような流れを作る、様々な別のパターンが考えられるという話は前回の記事でしましたね。
さて、10小節目(3段目の2小節目)に注目してください。
メロディが「C♮~A~」と動いており、Am7っぽい。でも直前の小節がAm7なのでコードチェンジしたい気がする、とはいえ直後の小節がDm7なので突拍子もないところに飛ぶのも何か違う、という状況です。
で、実際に採用したのがこちらのコード。
意外と見落としがちですが、ルートから短3度の音がメロディにある場合でも、ドミナントセブンスタイプのコードを選んで充分によくサウンドします。
(もちろんケースバイケースですが、細かい場合分けはまたの機会に)
いわゆるドミナントセブンス♯9thのサウンドです(記譜は♭10thですが)。
ドミナントセブンス♯9thは、そのまま第三音をベースにしたディミニッシュセブンスにしても成立します。
が、今回僕は演奏予定だった編成的にも、Am7がルートをそのままにドミナントで上書きされる感じが欲しかったのでA7(♯9,♭13)にしました。躍動的なベースを求めている場合は「C♯dim7」にしたと思います。
ちなみに、ドミナントセブンスタイプのコードは、メロディを♭9、9、13などはもちろんのこと、♭5/♯11、♯5/♭13などを想定することもできます。
この辺りの響きを駆使して刺激的なサウンドを探してみるのもおすすめです。
5度下だけじゃなく…
ドミナントセブンスについてもうひとつ知っておくと便利なポイントがあります。
一般に、ドミナントセブンスは5度下に解決する力を持ったコードですから、隣の解決先から見て5度上の音をルートに持つコードを想定しがちです。
具体的には、まさに先ほどの例のように、「Dm7」を目がけて「A7」を設定している状態です。
一方、一般にV7/V(ダブルドミナント)で多用されるパターンで、実はすべてのドミナントセブンスに対して適用できるのが、
進む先がマイナーセブンス(またはマイナーセブンス♭5)コードの場合、同じルートのドミナントセブンスをその手前に置くというパターンです。
ちょっと変なことを言っているように見えますが、具体的には「Dm7」の手前に「D7」を設定するということですね。
マイナーセブンス(マイナーセブンス♭5)は、ツーファイブの「ツー」となり得るコードです。
このとき、その「ツー」を通りこた「ファイブ」に対する「ファイブ」を「ツー」より手前に置くことがよくあります。もうこんがらがってきましたが、こういうことです。
見覚えある方も多いのではないでしょうか。このとき理屈上飛び越えらているような扱いの「Dm7」をインターポレイテッドコードなんて言いますが、名前はさておきルートが同じドミナントセブンスとマイナーセブンスが隣り合う状況というのは、意外に身近にあるということです。
もちろんこれでも成立しているのですが、その上でもう一点。
セカンダリードミナントなどは、理屈上は解決先のダイアトニックコードがまずあって、その5度上のコードを想定するということになるのですが、
実際に曲の中で時間的に先に鳴るのはドミナントの方です。
「Dm7-G7」を見越して「G7」に対する「D7」を置き、それが「D7-Dm7」と進みました、というところでその次を素直に「G7」にしなければならないということでもないのです。
理屈上は「G7」を想定して「D7」を持ってきたかもしれませんが、「D7」はもう鳴らしてしまいましたから、それが本当に「G7」に行くかどうかは知りません、という無責任な話です(笑)
というわけで、今日はリハモの際にドミナントセブンスについて知っておく使えるいくつかの話をさせて頂きました。
こちらの動画もよかったら併せてチェックしてくださいね!
次回、第六回は「エンディングの定番パターン」です!